良い医師を選べば受ける治療の質も良くなる
良い医師とは
「良い医師」とは、患者の悩みや希望に対し親身に考えてくれる医師のことを言います。そのような医師がいる病院が「良い病院」となるのです。
ただ、これは精神的な部分において言えることです。実際に診療や治療を受けるときには、その医師の経歴や実績、技術力などの要素が大きく関わってきます。
それらを総合的に見極めるにはどうすれば良いのでしょうか。
「良い医師」と「ヤブ医師」の違い
大前提として、年長の医師、つまりベテラン医師が良い医師であるというわけではありません。年齢が上がれば、当然経験は増え、周囲からの信頼も厚くなるでしょう。ただ一部の医師は、医業以外の仕事にシフトチェンジすることがあります。執筆活動を始める医師もいれば、医業の傍らテレビタレントを行う医師もいます。
これらのことから、「ベテラン医師=良い医師」とは言えない、ということが分かります。
基本的に、医師は専門分野というのを持っています。内科専門の医師もいれば、外科や小児科、美容整形などを専門としている医師もいるでしょう。また、その専門科目の中でもより得意としている分野もあれば、そうでもない分野もあります。
そのような医師に診療や治療をしてもらったとき、その医師が得意としている分野であればその患者にとってその医師は「良い医師」になり、得意としていない分野を診てもらった患者にとっては「普通の医師」になります。
つまり、患者にとっての良い医師、名医というのは、患者自身とその医師とのマッチングによって決まるのです。それは先にも書いたように、医師によってこれまで携わってきた専門分野や得意分野が変わってくるからです。だから、年齢が若いからという理由でその医師に対し懐疑心を持ったり、「ヤブ医師では…」と考えるのも間違いなのです。
では次にヤブ医師について説明しましょう。ヤブ医師は以下の特徴を持っていることが多いです。
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患者の質問を流したり答えなかったりする医師
患者が具体的な病名を聞いたり処方箋に関する質問をしたとき、うまく流そうとしたり答えになっていないことを言ったりする医師がいます。このような医師とは信頼関係が築けません。
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経過観察を優先し無難な治療に走ろうとする医師
とりあえず経過観察、とりあえずこの薬で…という感じで、患者の訴えや病状を深く調べようとせず無難な方法を優先しようとする医師は、ヤブ医師と捉えて問題ありません。良い医師であれば、患者1人1人の状況に応じた最善の処置を検討し、提案してくれます。
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すぐに薬を出したり検査をしようとしたりする医師
病気を抱えている患者のほとんどは、薬を処方してもらうことで大きな安堵感を得ます。医師側もそれを知っています。ヤブ医師はそれを利用し、診療を終えた後自分の診断に自信がないときに、いろいろなタイプの薬を処方することがあります。「この中のどれかが役に立つだろう」と考えてのことです。
また、MRIやCTスキャンなどを強く勧めてくる医師もいます。なぜそのようなことをするのかと言うと、これらの検査をすればするほど病院側に儲けが出ることを知っているからです。
病院に行って、上記の特徴に1つでも当てはまる医師にあたったときは十分注意しましょう。複数当てはまる場合はヤブ医師である可能性が非常に高いです。
いくつ当てはまる?~「良い医師」のチェック表~
患者に対し親身になってくれる医師というのは、具体的に患者に対しどのような接し方をしてくる医師のことを言うのでしょうか。
以下のチェック項目は、どれも患者のことを大事にしてくれる医師が持つ特徴となっています。該当項目が多ければ多いほど、その医師がより「良い医師」ということが言えます。
- 話をじっくり真剣に聞いてくれる
- 無愛想な態度を取らない
- 病歴や家族歴などを細かく聞いてくれる
- データだけで判断せず、患部もしっかり診てくれる
- 専門用語は使わず、わかりやすい言葉で説明してくれる
- 勉強熱心で情報収集を怠らないので、いろんな目線から診察をしてくれる
- はっきりと診断ができない時に「わからない」とはっきり言える
- 患者を抱え込まず、直ぐに専門医を紹介してくれる
これらをチェックするには直接病院に行き診療を受けるのが一番早いですが、病院が運営しているホームページや口コミサイトなどからも近い情報を得ることは可能です。
良い治療を受けるためには「患者力」も重要ポイント!
近年、「患者力」という言葉が注目を集めています。患者力とは、自分や自分にとって大事な人が健康体でいるために、納得のいく治療を受けることができる力」のことです。
この力を上げることで、病気を抱えたときにより良い治療が受けられ、その分治療スピードも大きく向上します。
そこで、患者力を上げる方法をいくつか紹介します。
私生活の中でできること
- 1人で悩まず、家族や知人に相談する
- ライフスタイルを大切にする
- 医療制度の仕組みを知る
- 通いやすい病院を探す
医師とのやり取りの間で意識・実践すること
- どのような治療を受けたいのかしっかり伝える
- 説明の中で分からないことがあればその旨を伝える
- 医師と信頼関係を築く
- 薬の種類や効果を把握する
病気の種類や患部の場所に関係なく、1人で悩むようなことはせず、まずは良い医師が在籍する病院に診療を受けに行きましょう。患者力を整えた状態で行けば、きっと満足のいく治療が受けられるはずです。