悩まないで!湾曲ペニス・屈曲ペニス・ペロニー病の情報まとめ

湾曲の原因

どうしてペニスは曲がってしまうのか…その原因や生活するうえでの悪影響を解説していきます。

「俺のちんこが曲がってる?」その原因を調査

まずはペニスの構造を把握しよう

湾曲ペニスとは何か、という部分を知る前に、まずはペニスそのものの構造を把握する必要があります。

人間のペニスは以下のような構造になっています。

人間のペニスの構造

画像引用元:医療法人社団美幸会
http://www.men-o.com/kukkyoku/about_kukkyoku.html

ペニスの皮の部分には白膜という膜が通っており、それが陰茎全体を包んでいる状態となっています。血管及び神経が通っているのもこの白膜の部分です。

勃起時に硬くなるのは海綿体と呼ばれる部分で、白膜はそれをしっかり包み込むかたちとなっています。ちなみに海綿体は、陰茎海綿体2本と尿道海綿体1本を束にしたものの総称です。

湾曲ペニスは文字通りペニスが折れ曲がった状態のこと

湾曲ペニスとは、文字通りペニスが折れ曲がった状態もしくはその症状のことをいいます。平常時には目立ちませんが、勃起時にそそりたつ状態とは違い、いわゆる「への字」に曲がってしまいます。中央部分から折れ曲がるケースもあれば、根本から折れ曲がるケースもあります。

湾曲ペニスにかかると、性交時のペニスの挿入が困難になり、パートナーが陰部に痛みを感じることがあります。

ペニスが湾曲状態になったからと言って、当人に痛みが生じることはないかもしれません。しかしセックスに支障が出る可能性がありますから、注意が必要です。

現在湾曲ペニスの主な治療法とされているのは、外科手術や保存的治療、薬物療法などの非手術治療などです。これらの治療は泌尿器科や美容外科で受けることができます。

日本では美容外科医が手術することも多いようですが、本来は泌尿器科の担当分野であると言えます。

生殖機能にも影響があるかもしれないことを考えると、日本性機能学会専門医が在籍する泌尿器科で診察を受け、場合によっては手術を行なうのが最善であると言えるでしょう。

湾曲ペニスやペロニー病を引き起こす原因と関連する組織

湾曲ペニスを引き起こす原因は、いくつも考えられます。湾曲ペニスの具体的な原因、そしてさらにその症状を引き起こす原因まで深く追求してみましょう。

湾曲ペニスと関わりが深い組織

「俺のちんこは曲がっている!」と、湾曲ペニスの持ち主がその事実に気付くのは、大抵勃起時。平常時はみんなと同じはずなのに、なぜかまっすぐそそり立たないペニスに、不安と苛立ちを覚えるのではないでしょうか?

ペニスは動脈や神経が数多く集まる複雑な組織です。ここでは主に「勃起時の湾曲」に関係する部分だけを取り上げ、説明していきましょう。

湾曲ペニスの原因となる組織

  • 海綿体
    「ビンビン!」を司る知名度の高い組織。
    平常時はスカスカ状態でぐんにゃりしてますが、勃起時には大量の血液が流れ込むため、充血して膨張します。
  • 白膜
    海綿体を包み込んでいる、丈夫な膜。
    海綿体の際限ない膨張をセーブし「カッチカチ状態」をキープしてくれます。
    「真っ直ぐにそそり立つ硬いペニス」を実現するためには、上記2組織の連携プレーが、欠かせないというわけです。

湾曲ペニスの原因は「白膜の膨張率の乱れ」

湾曲ペニスの原因は、ずばり「勃起したときの白膜の膨張率の乱れ」です。

白膜の裏側より表側が弱く伸びやすくなってしまった場合、白膜の表側が際立って伸びてしまうため、勃起したとき真っ直ぐにならず、下側に折れ曲がってしまうのです。

先天的なこの症状のことを「先天性陰経湾曲症」といいます。幼少期にこの状態に気付くことはほとんどありませんが、成長し思春期になるにつれ、段々とこの症状に気付くようになります。

後天的な理由には、主に病気や怪我などがあてはまります。何らかの事故や怪我でペニスの白膜が裂け、それが原因で湾曲してしまうケースです。

後天的原因のもう1つがペロニー病(日本語では陰茎硬化症)です。

ペロニー病は白膜の一部にしこりができ、膨張率に乱れが生じることで発症します。20代までは何ともなかったものの、30代以降になって発症するケースもあります。[注1]

湾曲ペニスを生む詳しい理由

  • 先天的理由
    「先天性陰茎湾曲症」という、病名があります。生まれつき海綿体の発育バランスに狂いが生じています。
  • 後天的理由
    怪我や事故などにより白膜が裂けることで、バランスに狂いが生じます。
  • ペロニー病
    白膜の一部にしこりができることで、バランスに狂いが生じてしまいます。

若い時には見られなかったペニスの屈曲が、中年になって自覚されるようになったケースに多くあてはまります。

海綿体が原因の場合は主に「先天的ペニス曲がり」、白膜が原因の場合は「後天的ペニス曲がり」であることが、わかっていただけましたでしょうか。

海綿体はペニス内に全部で3つあるのですが、その発育バランスがおかしいと、勃起時のペニスに湾曲が生じます。

白膜は膨張し続ける海綿体を抑えつける代わりに、ペニスへ「硬さ」を与えてくれています。しかしそのバランスに、上下左右いずれかの方向で偏りが生じると、ある方向の海綿体が真っ直ぐ膨張できずに曲がってしまうのです。

ペロニー病の根本的な原因は判明していない

今のところ、ペロニー病の根本的な原因は判明していません。ただ、加齢による白膜の退行性変化、そして過去に受けた陰茎の外傷による影響などが考えられています。

陰茎海綿体白膜に線維性の硬結(プラークとも言われる。いわゆる、しこり)が発生すると、それが引っかかるようにして勃起時に湾曲が生じ、陰茎痛を伴うこともあります。

また、糖尿病、痛風、海綿体炎などの症状を持つ人がなりやすいことが判明していることから、これらとの関連性も強く疑われています。

湾曲ペニスの7つの症状とその原因

湾曲ペニスなんて他人事だと思うかもしれませんが、少なくともペロニー病は日本でも意外と身近な病気です。

2000年に行われたドイツの調査によれば、ペロニー病の発症率は8,000人中の3.2%。2001年にイタリアで行われた調査だと7.1%、同年のブラジルでの調査では3.7%、2004年にアメリカで行われた調査では8.9%と、どの国も決して低いとは言えない数字です。[注2]

日本でも、2009年から2014年にかけての5年間で性機能専門外来の診療を受けた133名中5名、3.7%がペロニー病でした。[注3]

先天的な陰茎湾曲症で、性交や日常生活に不便を感じていない場合、湾曲していても実害はありません。

ペロニー病になっていたとしても、しこり自体は良性なので、放置しておくことで痛みや違和感がなくなっていくこともあります。ただ、中には重大な病気でしこりができている場合もあるのです。

異変を感じた際、すぐに泌尿器科に駆け込むためにも、湾曲ペニスかどうかを見分けられるように症状を知っておかなければなりません。湾曲ペニスの症状と、その原因を簡単にまとめました。

1.勃起時の痛み

勃起時の痛み

ペロニー病は、海綿体を包む白膜の一部がしこりになることによって起こります。

白膜にできるしこりの正体は、やけどや傷を負った際にできるケロイドと同じようなもの。[注4]

人間には自然治癒力があるため、多少の傷を負っても時間経過で傷跡は小さくなり、消えていきます。

しかし、何らかの原因で傷ついた部分が刺激を受けたり、アレルギー等の反応が起きたりすると、傷口を一時的に埋めるためにつくられる膠原線維が傷跡を越えて広がってしまい、固まってしこりやケロイドといった状態になってしまうのです。

膠原線維は非常に硬いので、しこりができた場所は元のように自由に伸び縮みすることができません。勃起は、海綿体に血液が流れ込んで膨張し、膨張した柔らかい海綿体を硬い白膜が支えるという仕組みで起こります。

本来なら伸びるはずだった白膜が、しこりのせいで一部伸び切らないため、海綿体が押し込められ、周囲の組織が圧迫されて痛みを発するのです。

海綿体の膨張率に偏りがあることで起きる先天性の陰茎湾曲症では、勃起時の痛みはありません。先天性の湾曲ペニスは、「曲がっている状態が自分にとって正常」になっているからです。

もし、湾曲ペニスになり、勃起時に痛みを感じた場合は、後天性のペロニー病を疑いましょう。

また、後天的にペロニー病になり、勃起時に痛みを感じるようになったとしても、しこり自体は良性なので、数カ月から1年で痛みが治まってくることもあります。[注5]

勃起時の痛みや疼痛は、ペロニー病になると必ず起こるわけでもないので注意が必要です。

ペロニー病になってしまう詳しい原因は不明ですが、ペロニー病は陰茎のケガによっても起こるとされています。

股間を強く打った、性交や自慰を行う際に強い力がかかって陰茎が折れた(陰茎折症)などによって白膜が破れた場合、白膜のケガが治る際にしこりができてしまうことも十分ありえるのです。心当たりがある場合は、なるべく早めに診察を受けましょう。

2.性交障害

性交障害も、湾曲ペニスに良くある症状のひとつです。軽度の湾曲で、痛みを伴っていない場合は問題ない場合もあります。

ただ、60度以上などの強い湾曲が起きていたり、根本から曲がっていたりする場合、そもそも挿入ができません。

挿入時の形状から体位に制限がかかる、曲がっているということにショックを受けて精神的な勃起不全を併発するといった可能性もあります。

先天性陰茎湾曲症の場合、成長期を経て湾曲が強まるというケースはほとんどありません。一方で、後天的にペロニー病になり、徐々に湾曲が進行する場合は、性交障害を併発する可能性があります。

また、性交障害という症状は、実際に性交を経験しないと症状に気づかない場合もあるため、泌尿器科等の現場では若年者よりも成年の患者が症状に悩んでいるケースが多いようです。[注3]

性交障害の原因は湾曲なので、治療によって湾曲が解消されれば問題も解決します。

3.しこりの違和感

先天性陰茎湾曲症の場合、しこりがないので触っても違和感はありません。

ただ、ペロニー病の場合は皮膚のすぐ下にある白膜にしこりができているため、勃起時や普段の状態でも違和感を覚えるケースがあります。

しこり自体は、何らかの原因によってできた良性のものなので、痛みや性交障害がないのであれば放置しておいても大きな問題にはなりません。

しかし、明らかにしこりが大きくなってきたり強い痛みが出たりする場合は、泌尿器科で診察を受けましょう。

ただ、ペニスにしこりがある=100%ペロニー病であるとも限りません。メジャーなケースではありませんが、がんなどの重大な病気をはじめ、その他の病気が原因でしこりができているという可能性もありえます。

しこりを調べれば、それが良性のものなのかどうかはすぐにわかるので、不安になったら病院へ行くのが最も堅実な対応です。

4.上ぞり

上ぞり

冒頭で説明した通り、海綿体は3つにわかれています。

陰茎海綿体が2本横並びに存在し、その下に尿道を保護する尿道海綿体があるという構造です。

陰茎を正面から見ると、上部に2本の太い海綿体、下部に1本の細い海綿体がある逆三角形の配置になっています。

湾曲ペニスが起きる原因は、何らかの理由によって海綿体の膨張率が偏っていたり、白膜にしこりができて海綿体がまっすぐ膨張できなくなっていたりするからです。

ペニスが上ぞりになっている場合、逆三角形に3本ある海綿体の内、上にある陰茎海綿体の白膜にしこりができていることが原因になっています。

ちなみに、帝京大学医学部泌尿器科の診療状況では、ペロニー病と診断された患者の32%が上ぞりでした。[注1]

ペロニー病によって起きる湾曲ペニスの症状としては、かなりメジャーな反り方といって良いでしょう。

5.下ぞり

先天的な原因にせよ、後天的な原因にせよ、基本的にペニスは問題が起きている方向に曲がります。

下ぞりが症状として起こっている場合、3本ある中で唯一ペニスの下側にある尿管海綿体が成長していないか、もしくは尿管海綿体を包む白膜にしこりができているわけです。

帝京大学医学部の泌尿器科によれば、2015年から2016年に診療した31例の内、下ぞりだったのは10%。こちらも、珍しくない湾曲であることがわかります。[注1]

6.右ぞり

ペニスが右ぞりになってしまう原因は、先天性陰茎湾曲症なら右側にある陰茎海綿体の成長が遅れているため。ペロニー病なら、右側にある陰茎海綿体を包む白膜にしこりができているからです。

しこりができた位置によって、どこから湾曲がはじまるのかは変わってきます。

ちなみに、上ぞり、下ぞりと同じく帝京大学医学部泌尿器科の診療状況を参考にすると、ペロニー病で右ぞりになっていたのは全体のたった3%でした。[注5]

症例数が少ないため断言はできませんが、ペニスが右側に曲がる状態は湾曲ペニスの症状でも珍しいといっても良いのかもしれません。とはいえ、右ぞりだから症状が重くなるといったことはないので、ご安心ください。

7.左ぞり

最後に紹介する症状は、左ぞりです。これまでと同様、左の陰茎海綿体の膨張率が悪いか、白膜にしこりがあるとペニスは左に曲がります。

特徴としては、比較的症例数が多く、なんと帝京大学医学部泌尿器科の診療状況では32%が左ぞりでした。[注1]

自分だけの問題ではない湾曲ペニスの影響と治療

カップル

「でもペニスはちょっと曲がっていた方が、セックスの時に喜ばれるっていうじゃないか」という意見があるかもしれません。しかしこれは「概ね真っ直ぐなペニス」の持ち主の発想です。

屈曲ペニスはつらく、意外と多くの弊害があるのです。

曲がったペニスがもたらすさまざまな悪影響

性交時に「うまく挿入できない」「挿入できても抜け落ちてしまう」などの問題が生じてしまいます。「痛い」という理由で、パートナーから嫌がられてしまうケースがあります。

上記のような性交時のトラウマが原因で、EDの症状を併発しやすくなります。ペロニー病が原因の場合は、本人も勃起時に痛みが伴うようにもなります。

やはりペニスは器官的にも、精神的にもデリケート。持ち主がいかに素直でも、息子がひねくれ者だと、さまざまな苦労が生まれてしまうのです。

ペロニー病は悪性ではないものの、進行性の病気であり、放っておいてもひとりでに治るものではありません。現時点で痛みがない、性交に支障がないとしても、いずれパートナーとの間で問題が生じる可能性があります。

ペロニー病かもしれないと思ったらひとりで悩まず、クリニック(できるだけ泌尿器科)に相談することをおすすめします。

ペロニー病は早期発見・早期治療が大事

ペロニー病は発症して半年から一年間ほどが活動期となります。陰茎の中に生じたしこりが増大していくのです。ペニスがだんだん湾曲してきた気がする場合は、このしこりができていないか疑ってください。

早期にペロニー病を発見できれば、この活動期のうちにビタミンEや抗炎症反応があるトラニラストなどを内服することで治療を行なうことができます。[注2]

場合によってはこれによって、しこりを小さくしたり、消失させたりすることもできます。早期発見・早期治療が一番良い方法ですから、やはり気づいた時点で診察を受けることは大切です。

手術で治療を行なう場合は、しこりがある部分を切除し、その部分に真皮や静脈を移植する方法があります。しこりの活動期が終わってから6ヶ月ほど様子を見て、しこりを切除することになります。

また、しこりが無い側を縫い縮める縫縮法(プリケーション法)もありますが、これはしこりを取り除かないため、根本的な治療とは言えません。再発の可能性もあることから、あまり採用される方法ではないようです。

[注1]帝京大学医学部泌尿器科アンドロロジー診療:ペロニー(ぺイロニー)病の原因・診断・治療

[注2]東邦大学医療センター 大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科):陰茎硬化症(ペロニー病)

[注3]北海道公立大学法人 札幌医科大学 学術機関リポジトリ:当院における性機能専門外来の現況

[注4]MSDマニュアル家庭版:ペロニー病

[注5]キョーリン製薬:ペロニー病(形成性陰茎硬化症)[pdf]

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